交際相手が実は既婚者だった場合〔その2〕~よくある質問~

交際相手が実は既婚者だった場合〔その2〕~よくある質問~

Q 交際相手が、実は既婚者かどうかを調べる方法はありますか?

A 交際期間が長いのに、交際相手がなかなか家に連れて行ってくれなかったりすると、「もしかしてこの人は結婚しているのではないか」と疑いたくなりますが、それだけでは既婚者であると決めつけることはできません。
 真実を明らかにするためには、交際相手の戸籍を調べる必要があります。そして、戸籍を調べるためには弁護士に依頼する必要がありますが、戸籍を取得するために最低限必要な情報というものがあります。
 まず、交際相手の正確な氏名と住所(現在の住所でなくてもかまいませんが、住民票上の住所である必要があります)が分かっていれば、そこから戸籍を調べることができます。
 次に、交際相手の正確な氏名や住所が分からないという場合であっても、交際相手の携帯電話の番号や車のナンバーなどから住所をたどって、最終的に戸籍を調べることができます。
 なお、LINEのIDでは、弁護士に依頼したとしても、交際相手の戸籍を調べることは難しいです。

 

Q 交際相手が実は既婚者であった場合に、交際相手の配偶者に対して、不倫していたことを理由に慰謝料を支払わないといけなくなりますか?

A 一般的に、破綻していない婚姻関係にある配偶者の一方が不倫をしていた場合、不倫をされた側の配偶者は、その不倫相手に対して慰謝料を請求することができます。
 ただ、それは、不倫相手が、不倫であること(交際相手が既婚者であること)を分かっていながら(あるいは容易に気づけたにもかかわらず)不倫関係になった場合の話ですので、交際相手が既婚者であると気づくのが難しかったのであれば、結果的に不倫関係であったとしても、慰謝料を支払う必要はありません。
 したがって、交際相手が実は既婚者であると分かった時点で、すぐに交際を終わらせることがきわめて重要です。交際を始める段階では既婚者であると知らなかったとしても、途中で既婚者と気づいた後も交際を続けていれば、慰謝料を支払う必要が出てくるからです。
 なお、既婚者であると途中で気づきながら交際を継続した場合には、自分が、交際相手が実は既婚者であったことを理由に交際相手に対して慰謝料を請求することも難しくなりますので、この点からも、やはりすぐに交際を終わらせることが重要になります。

 

Q 交際相手に慰謝料請求をするときに、何か証拠は必要でしょうか?

A 慰謝料を請求する際には、 交際相手が実は既婚者であるにもかかわらず、未婚であると嘘をついていたことについての証拠が必要になりますが、それほど難しい話ではありません。
 まず、交際相手の戸籍については、必要な情報さえあれば弁護士が取得することができますし、交際相手自身が「実は自分は結婚している」と認めていれば、そもそも戸籍を取得する必要はありません。
 次に、交際していたときの交際相手との具体的なやり取りについては、LINEやメールの履歴、通話の録音など、形に残っていれば何でも有力な証拠になります。
 また、交際相手と知り合ったきっかけがマッチングアプリであれば、アプリ上の交際相手のプロフィールやアプリの中でのやりとりについて、スクショなどをして証拠とすることもできます。
 もし、交際相手が未婚であると嘘をついていたことについて、はっきりとしたやり取りの証拠がないのであれば、実は既婚者であると気づいた後であっても、まだ気づいていないフリをして交際相手と連絡をとり、独身であることをにおわすような交際相手の発言を引き出しつつ、通話であれば録音しておくことも有効です。

 

Q 交際相手に仕返しをしたいので、交際相手の配偶者や勤務先などに、独身だと言ってダマされて交際していたことを伝えてもいいでしょうか?

A 交際相手の配偶者や勤務先などにダマされていたと伝えることは、交際相手にダメージを与えることができるかもしれませんが、自分にもダメージが及ぶ可能性があるので絶対に避けるべきです。
 事実を伝えられた配偶者の立場からすれば、あなたが既婚者であると知っていようがいまいが、あなたが不倫相手であることに違いはありませんので、(実際に慰謝料を支払う法的な責任があるかどうかは別として)慰謝料を請求されてしまう可能性があり、自分に火の粉がふりかかることになります。
 また、仕返しとして、交際相手の勤務先や関係者に伝えたり、SNSやネットで広めたりすれば、その内容が真実であったとしても、名誉毀損として、民事・刑事上の責任を負わされる可能性が出てきます。もちろん、マッチングアプリで知り合った場合に、マッチングアプリの運営者に「実は既婚者である」と通報することは全く問題ありません。
 なお、「奥さんに不倫をばらす」などと言って交際相手を脅したり、「ばらしてほしくなかったら慰謝料を払え」などと言ってお金を要求したりするような行為も、脅迫や恐喝にあたる可能性がありますので避けるべきです。

(2022年9月27日)